仏像を巡る

営業OLが行く仏像巡り

#7 湖北で観る「親鸞と真宗文化」

長浜市長浜城歴史博物館で4/27〜5/26まで開催されていた「親鸞真宗文化」に行ってきました。

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滋賀県長浜市余呉町にある残景寺というお寺を訪れた際に、本尊の阿弥陀如来さまがご不在で、長浜城歴史博物館にいると伺い、せっかくなので行ってきました!


滋賀といえば、「観音の里」と称される高月町を中心に、仏教信仰にゆかりある都市で、実は京都や奈良よりもお寺の数は多いのが滋賀なんです。

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残景寺は、そんな滋賀県長浜市余呉町にある真宗大谷派のお寺。
綺麗な流線形の屋根瓦と、中には襖や欄間に天女が描かれており、余呉湖の羽衣伝説を彷彿とさせます。
羽衣伝説自体は、各地でいくつか説話として伝わるものの、風土記逸文から見られるこの余呉の羽衣伝説が最も古いと言われているそうです。


今回の企画展「親鸞真宗文化」は長浜別院大通寺、長浜城歴史博物館、曳山博物館の三会場開催だったわけですが、残念ながら私が行けたのは長浜城歴史博物館だけ(諸事情で時間に余裕がなく…無念…)


親鸞に纏わる絵巻物、書物、仏像などが2階の1フロアに展示され、今回仏像の展示は、阿弥陀寺阿弥陀如来と、残景寺の阿弥陀如来の2軀。(どちらも立像)

 

阿弥陀如来立像(阿弥陀寺/平安時代

柔和な顔つきなど、平安時代後期の特徴表す。平安時代後期は末法の世と考えられ、阿弥陀如来の極楽浄土への往生に大きな関心が寄せられ、阿弥陀像の造物が流行する。

ツヤ感のある表面で、白毫は橙色。綺麗な赤色の肉髻珠が目立ちます。

手足は比較的小ぶりで、衲衣の滑らかな表現が特徴的。手は無施畏与願印で、台座には獅子が3体正面を向き、阿弥陀仏を守護するように見えます。

 

阿弥陀如来立像(残景寺/江戸時代)

江戸時代の湖北における名刹の一つである

お寺に伺った際にご住職がおっしゃっていた話なのですが、仏像本来の色味から、表面が黒くなっているのは、余呉の人々が信仰心が厚く、参拝に訪れるとお焼香を焚き、その煙の灰で黒くなっていったのではないか、とのことでした。

阿弥陀寺阿弥陀如来像よりつり上がった目が特徴的で、肩から流れる一般的な衲衣の表現ですが、肩の衲衣の上から装飾が施されているのが特徴的でした。漆箔が錆びたのか、ところどころ赤みがかっています。

台座の蓮のスジが綺麗に描かれており、台座自体も綺麗な金色。阿弥陀寺阿弥陀如来像と同様に獅子が守るように鎮座しています。

 

今回の出展に伴い、寺内の本尊が絵像になっているのはとてもめずらしく、ご住職自身もはじめてとおっしゃっていたので、寺外に行かれるのはとても貴重な機会だったのでしょう・・・!

 

長浜城を後にし、お昼は近くの「善光」という食事処へ。

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長浜の郷土料理として有名な「焼き鯖そうめん」もあります!私は味噌カツ定食を頼みました(笑)特製ソースでおいしくいただき、滋賀の旅は終了です。

 

7月には彦根に行く予定を計画中!滋賀は歴史が詰まった趣深い街なので大好きなのです。

 

合掌。